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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页
あれは、京都の大徳寺で自分を睨み据えるべき、新しい精神生活を学んだ彼が、竜と虎の眼と眼の発する、闘いの火花の中に、彼のほんとうの自分を発見することで、さらに磨きあげていったのである。自分を追い抜こうとする、シーンと、緊まるような気迫というか、このごろよくいう、行動的なものが、そこに現われている。つまらないばかさわぎの映画よりも、もっと動いているのである。風の音、波の音すらも、聞こえてくるのである。ここに、古代の美から、近代の美が、新たに生まれてくる、世界の一つのくぎり一六〇〇年代があるのである。ただ、日本だけが、まもなく鎖国で三百年の長い間、日本の国を、封建的な鎖でしばりつけて、八、九十年前まで、身動きもさせなかった。まだ、日本は、鎖でしばられた手足のしびれが取れていないともいえるのである。
しかし、古代の世界も、決して一様なものではなかった。ヴォーリンガーという美学者は、エジプトの芸術を見て、それを空間に対する畏れであるといった。
例えば、あのピラミッドのことを考えてみれば、ただ一人の帝王の墓場と、その周囲の装飾をつくるために、数万人の奴隷が、その一生を費やし、やはり奴隷である芸術家が、その王朝のもつ、巨大な力の中に生き、その物語を描くにあたって、一つ違えば、自分の上に落ちてくる鞭の音への畏れを表現し