轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

にんげんひょう

人間豹

江戸川 乱歩

「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1~2月、5月~1935(昭和10)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 155,989 字 · 311 页

青空文庫

老人が立ち上がって尋ねると、お嬢さんはムクムクとベッドの上に起き上がって、天蓋の薄絹をかき分け、やっとその寝間着姿を現わした。

見ると彼女の風体は実に異様なものであった。洋風のベッドに寝ながら、その寝間着は、純和風の袂の長い派手な友禅縮緬の長襦袢で、それに、キラキラ光る伊達巻をしめていた。そして頭から、婚礼の綿帽子みたいな形の黒い絹の頭巾を、スッポリと、顎の辺までかぶっているのだ。

「あたし、お風呂にはいりたいと思うのだけれど、その子に先へ行って用意させてくれない?」

「はい、承知しました……はなさん、では私についておいで、湯殿を教えてあげるから。お湯はちゃんと焚きつけてあるから、お前は湯加減を見て、手拭などをきちんとしておけばよろしいのじゃ」

老人はそんなことを言いながら、また廊下をたどって、立派な湯殿へ案内した。

浴槽も洗い場も一面のタイル張りで、採光がわるいのか、昼間だけれど、美しい装飾電燈がキラキラとかがやいていた。

老人が立ち去ると、蘭子は裾をまくって、タイルの上に降り、浴槽の蓋を取って湯加減を見たり、桶に湯を汲み出したり、かいがいしく入浴の用意をととのえた。