轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

にんげんひょう

人間豹

江戸川 乱歩

「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1~2月、5月~1935(昭和10)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 155,989 字 · 311 页

青空文庫

あの場合ああするほかはなかったのです。先生だからこそあいつらの奸計を見破ってくだすったのです。蘭子はいずれこんなことになる運命でした。先生の御助力がなければ、あれの死期がいくらか遅れたかもしれません。しかし、それはただ苦しみを長くするばかりで、どうせ助かりっこはなかったのですからね。それよりも、僕は蘭子の敵が取ってほしいのです。先生の力で恩田父子の隠れ家を突きとめていただきたいのです」

神谷青年は決して明智を恨んではいなかった。感謝こそすれ、恨むべき筋は少しもなかったのだ。

「それはおっしゃるまでもない。僕はけさからそのことでいろいろ活動していたのですよ。君から電話があったし、警視庁の知合いの者からも詳しく事情を知らせてくれたし、そればかりではない、殺人鬼みずから又しても僕に挑戦してきているので、自衛の意味からも、僕はじっとしていられないのですよ」

「え、すると、あいつは又挑戦状をよこしたのですか」

「そうですよ。ごらんなさい、これです」

明智はポケットから一葉の封筒を取り出して、中の書翰箋をひろげてみせた。

明智君、君の驚いている顔が見えるようだ。おれの力がわかったかね。