轻松读懂日语经典作品
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,262 字 · 243 页
「僕は迚も敵わない。僕よりも怠ける代りに、いざとなれば僕よりも余計やる」
「しかし決して学問の為めじゃないよ」
「そんなことは言わない方が宜い」
「いや、これほどやっても些っとも面白味がないんだから、僕の直観は間違っていない」
「何ういう直観だい?」
「学問なんか詰まらないものだと子供の時から思っていたが、実際その通りだ」
「それにしても能く続く」
「目的があるからさ」
と菊太郎君は正直だ。嫌いな学問が好きになったと誤解されては困るのらしい。
一週間続きの試験が終った。僕達は連日連夜こんなに努力したことは小中大学を通じて最初の最後だった。菊太郎君は何うか知らないが、僕一人としては一種の淡い哀愁を感じた。長い/\学生生活の終焉だ。僕達と一緒に答案を出した一人の学生が、
「先生、これでイヨ/\年が明けました」
と言った。
「名残り惜しいかね」
と先生は答案を揃えながら答えた。
「はあ」
「それじゃもう一年来られるようにして上げようか?」
「飛んでもない」
「ハッハヽヽ」
「溜まらん/\」
と僕達は逃げて来た。
重荷を下した。試験の済んだ日ほど心持の好いものはない。殊に卒業試験でもう永久に無罪放免だ。