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ちきゅうとうなん

地球盗難

海野 十三

「ラヂオ科学」1936(昭和11)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 页

青空文庫

「モシモシ。こっちは大隅ですが、佐々砲弾君ですか。――モシモシ。オヤ、これは聞えないぞ」

「聞えないわけではないのですが、たいへん音が小さいのです。まアよく聴いてごらんなさい」

「ああそうですか。モシモシ砲弾君」

辛抱づよく呼びかけているうちに、なるほど、微かな声で佐々砲弾の声が聞えて来た。

「おお佐々君。これはどうしたのだ」

「いや大隅さん。僕はウラゴーゴル星を離れて、今ロケットで宇宙を飛んでいるんだ」

「なんだって、君はウラゴーゴル星を離れたのか。それは一体どういうわけだ」

「ウン、あそこにいては生命が危くなったんだ。それにウラゴーゴル星と地球の距離は五日前からドンドン遠くなってゆくことが分ったので、もうどうにも我慢が出来なくなったんだ」

「えッ、地球との距離が? どうしたんだろうなア、君そのわけを知っているだろう」

「そんなことは、君の方が知っている筈じゃないか。――例の隕石のことだよ」

「隕石て? ああ、あの大宗寺とかいうお寺の庭に落ちて、辻川博士がそれを掘って邸内にもって帰ったというやつかネ」

「そうだそうだ。その隕石だ」

「それがどうしたというのだ」

「君も案外、頭脳がわるいネ。