轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちきゅうとうなん

地球盗難

海野 十三

「ラヂオ科学」1936(昭和11)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 页

青空文庫

丘の上の大異変

――それからもう一つ、この村では赤蜻蛉が出てくるのは何時ごろからかネ。そしてその赤蜻蛉が飛びながらいつも向いている方角はどっちの方だろうね」

「まあ、変なことばかりお聞きになるのネ。赤蜻蛉が出るのは去年からたいへん遅くなりました。いつもは七月頃に出てくるんですけれど、去年は十月になってやっと出て来たので、変だ変だと思っていましたわ。飛んでゆく方角はこっちの方ですから、真西よりこの位北によっていますわ」

といってお美代は二本の指先で、三十度ぐらいの角度をこしらえてみせた。

「フフーン。いや有難う。また聞くことがあろうけれども、今日知りたいと思ったことはそれだけだった」

「まあ気味がわるい。そんなことがどんなお役に立つんですの」

「いや今に分るから、それまでは黙っていて貰いたい。とにかくこの村には、今後も、もっといろいろの変事が起るかもしれない」

「あら、まア……」

二人は顔を見合わせて、歎息しあった。しかしこのとき若しも二人が背後をふりかえって、そこに突如として起った大異変に気がついたとしたら、どんなに胆をつぶしたことであろう。

丘の上の大異変

お美代と大隅理学士とは、共に武夫少年の安否を気づかいながら、暫くは言葉もなく、その涼しい丘の上に塑像のようにじっと並んで坐っていた。