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てんのう
天皇
蜷川 新
誰が日本民族の主人であるか
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 136,036 字 · 269 页
それにたいして、軍部では、強い反対をしめていたものである。
この軍統帥の独立ということは、政治的には内閣を圧迫し、政情安定を乱すような事態を引きおこした。そうして、ついには、卑怯な政治家たちは、軍人の威力に屈従して、軍人の専制政治をも生ぜしめるような危険の状況に陥った。こうして拙劣な政治によって、日本民族のうえに大きな禍害をこうむらしめるごとき結果になったのである。これはじつに、その運用をあやまった結果である。
このほかにも、天皇は、外交権を有していた。外交にかんして、人民はそれに干与する権利がなかった。そうして、「秘密外交」は、天皇の権利としておこなわれたのであった。人民としては、それはきわめて不安のものであったが、しかしながら、官僚は、それを便利とし、よろこび、かつ誇っていた。財政にかんしても、天皇の政府は、議会が予算を否決した場合には、前年度の予算を、政府の権利としておこなうことができた。(旧憲法第七十一条)
このようなことは、グナイストの教えたとおりであった。日本人の知能から出たことではない。
また、旧憲法によれば、立法、行政、司法は、天皇がおこなうものであった。