轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年6月~7月、9月~10月、1932(昭和7)年1月~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 66,038 字 · 133 页
ゴリラは小鼻をヒクヒクさせながら、舌なめずりをして、「吉の野郎、うまくやってくれましたよ。あいつが前以て、葬儀社の運転手に住み込んでいなきゃ、この芸当は出来ませんや。あいつが、本物の葬儀車に、空っぽの偽の棺をのせて途中で待っていると、あっしが、偽の葬儀車で本物の棺を受取り、焼場へ走る道で、うまく入れ替ってしまったんです。まさか先方でも、金ピカ自動車の換玉とは気がつかないから、あの標本屋で仕入れた、誰のだか分らないお骨の入った棺を、可愛い娘の死体だと思って泣く泣く焼場へ納めたこってしょうよ」
「ウフフフフ、うまい、うまい。君達にはたんまりお礼をしなくっちゃなるまいね。……ところで、もうここはいいから、帰って花婿の支度をしてくれ給え。明日の朝は、写真屋を忘れない様にね。判は四つ切りだよ」
「飲み込んでますよ。どんな立派な花婿姿になって来るか見てて下さい。あっしゃこんな別嬪と結婚式を上げようとは、夢にも思いませんでしたぜ。一目、花嫁御の顔が見たいな」
「よし給え。今見ちゃ興ざめだ。すっかり御化粧の出来上るまで辛抱すること。僕の腕前を見せるよ。一晩の我慢だ」
「じゃあまあ、我慢して置きますかね。