轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年6月~7月、9月~10月、1932(昭和7)年1月~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 66,038 字 · 133 页
あたしね、先生の代理にお見舞に行って上げますわ。先生のお手紙になって、何んでもおっしゃる通り伝えますわ。ね、いいでしょう」
などとも云った。
夏子は病院へ京子を見舞いに行っては、その帰りには必ず蘭堂のアパートを訪ね、京子が逢いたがっていることなどを、大げさに伝えて、青年作家をからかうのであった。
そうして逢うことが度重なるに従って、蘭堂と夏子の間に、段々遠慮がとれて行った。共同の敵を持っている点で、蘭堂の方でも、この色ぽっい未亡人の接近して来るのを、無下に退ける訳にも行かなかった。
二人はアパートの一室で、さし向いで長い間話し込むことがあった。夏子は洋酒や食べものなどを持って来て、少しでも長く蘭堂の部屋にいようとした。お酒に酔えば、段々話が色っぽくなって行くのも止むを得ないことであった。
京子には逢えないし、一方夏子とは絶えず逢っているし、その上彼女は甚だ色っぽいので、こんな状態を続けていたら、今に京子に済まぬ事が起りはしないかと、蘭堂は不安を感じ初めた程であった。
だが、別段のこともなく京子退院の日が来た。花園伯爵からは、目出度退院したという礼状が来た。