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にっき
日記
宮本 百合子
31 一九四八年(昭和二十三年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 27,379 字 · 56 页
九月十三日
九月十四日
(これは『文化タイムズ』にかく。)
九月十三日(月)
仕事
九月十三日
この頃大新聞ではメモアールをのせる競争がはじまっている。十三日から『毎日』は前駐日米大使ジョゼフ・グルーの記録「滞日十年」をのせはじめた。これは日本の読者の真面目な興味をめざまし実感をとおして多くのことを学ばせる。
何故なら一九三二年五月ごろからあとの十三年間日本の暗黒は年ごとに深く濃くなって、わたしたちは誰一人として当時の日本政府が何をしていたかという風なことは知らないのだから。このメモアールの第一回をよんだだけで、一九三二年に既に日本にどんな憲兵権力がはびこっていたかということがわかり、白鳥敏夫のような外務省の役人が、日本の運命にマイナスを加えつつあったかということがわかる。そして今日の読者はこのメモアールの凸凹を一ぺんひっくりかえして、今日を照りかえしつつよむことによって実にどっさりの収穫を得る。
九月十四日(火)
仕事
九月十四日
わたしの手のなかに百五十頁ばかりの小さい本がある。『生活のためのたたかい』ドストイェフスキーの「罪と罰」について、ピサーレフ著、金子幸彦訳
「この啓蒙主義的批評家は、ドブロリューボフとおなじように、若くして死んだ、彼は一八四〇年に生れ一八六八年に死んだ。