轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じろきちこうし
治郎吉格子 名作短編集(一)
吉川 英治
吉川英治『治郎吉格子 名作短編集(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:治郎吉格子、増長天王、醤油仏、八寒道中、野槌の百、銀河まつり、無宿人国記、雲霧閻魔帳。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 178,609 字 · 362 页
「――いけねえ、どう考えても、お里の弟だ。その木村丈八郎へ、直に会って今度の事を話すのは、気が咎める。……おれが、お里を誘拐かして、連れ出した事は、いまだに、知らねえらしいが」
そこへ、女中が、
「おふたり連れで……。湧井様、青砥様と仰っしゃるお方が」
「お、来たか」
あわてて、釵をふところに、
「――通してくれ」
青砥弥助と、湧井半太夫は、
「よくよく、思案してみると、今の世の中では、軽輩者は、生涯つとめても軽輩者、百金の手当があれば、肉親の者の保証は充分になる。――うん、と言おう。抱える相手を明かしてくれ」
と、同意の返答だった。
「有難い、それで俺も顔が立つ」
ふたりへ、百金ずつの金を渡して、
「実は、貴公たちをお抱えになるのは、当地でも、噂になっているだろう、赤穂の浪士に狙われている吉良殿だ」
「げっ、あの吉良か」
「表立って、上杉藩から、剣士を引き抜いて、吉良の首の番に、付けるわけにも行かねえ。――で、妙な縁で、俺が、国家老の千坂兵部様から頼まれて、この米沢表から、湧井半太夫、青砥弥助、木村丈八郎――と、こう三人を、引ッこ抜くことを頼まれたというわけだ」