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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
雷門以北「東京日日新聞 夕刊」1927(昭和2)年6月30日~7月16日<br>吉原付近「中央公論」1929(昭和4)年2月<br>続吉原付近「中央公論」1929(昭和4)年3月<br>隅田川両岸「中央公論」1935(昭和10)年9月<br>浅草田原町「三田文學」1912(明治45)年2月<br>あやめ団子「花形」1920(大正9)年8月<br>相模屋の路次・浅倉屋の路次「新演藝」1920(大正9)年8月<br>浅草の喰べもの「中央公論 夏期特別號」1920(大正9)年7月<br>夏と町々「時事新報 夕刊」1929(昭和4)年6月1日~30日<br>絵空事「新潮」1932(昭和7)年3月<br>一年「東京新聞」1946(昭和21)年4月15日<br>浅草よ、しずかに眠れ「苦樂」1948(昭和23)年2月<br>夜店ばなし「婦人公論」1931(昭和6)年7月<br>除夜「週刊朝日」1930(昭和5)年12月28日號<br>正月「婦人公論」1932(昭和7)年1月<br>水の匂「文藝春秋」1941(昭和16)年7月<br>町々…… 人々……「別冊文藝春秋」1955(昭和30)年2月~6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 页
二
……
二
けど、こっちは子供です、そんな頓着はありません。頓着ないばかりでなく、むしろその大人たちの、下らない、他愛のない……一ト言でいって月並……月並すぎるほど月並なのに間もなくあきれました。「いい年をして」と時には義憤をさえ感じました。――それが作られる句のうえばかりでなく、席上での、そのあつまった色んな人たちのいったりしたりすることがそれほどすべてわれわれに陳套な無知な感じを与えました。ですから、はじめ、勝手のよくまだ分らなかった時分には、われわれでも知っているようなことがことさらな問題になったり、だれでも、そんな本、読んでいるに違いないとおもわれるような本のどんなめずらしいものででもあるように評価されたりした場合、屡※(二の字点、1-2-22)われわれ、腑に落ちない眼をひそかにみ合せたことでした。
そのなかでいまだに一つ覚えていることがあります、「地芝居」という題の出たときですから秋時分のこと……九月か十月の会のときだったに違いありません。「地芝居や野風に消ゆる面明り」という句が大へんに抜けました。――勿論いい加減な句で、こういう句が抜けるんだから大ていお察しはねがえるとおもいますが、それよりも先生たちのなかの一人が文台のまえにいざそれを披講するとなったとき「野風に消ゆるおもあかり」