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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页

青空文庫

わが国でも欧州大戦以前には相当こういう種類の「自然科学者」が多かったが、その根柢に横たわる機械論的な却って一つの最も俗流的な形而上学的範疇組織は、決して自然科学の従って又自然科学的方法のその後の進歩に対応するものではあり得なかったので、その後次第にその勢力を失って来たように見受けられる。その後の新しい進歩的な自然科学者は、自然科学の根柢・自然科学の方法・にとって一般に範疇組織・論理学・哲学・が、又世界観が、如何に必要かということに気付いて来たように見える。この気運はアインシュタインによる一般相対性理論の創見に負う処が最も大きいと考えられるが、その後欧州や英米でも又わが国でも、こうした哲学的な自然科学論が自然科学界を通じて支配的になったと見られる。

併しそれにも拘らず、範疇組織と自然科学の他の方法要素との連絡、又は範疇組織そのものの最後の論理学的統一、或いは更に云い直せば、範疇組織の世界観との協定乃至首尾一貫は、極めてルーズな状態に停滞していることを見落してはならない。

この状態は最近、所謂自然科学の危機によって著しく暴露されるに至った。自然科学は因果や自由の範疇を自分自身の科学的方法に対して首尾一貫させるように処理し組織する用意が出来ていなかったために、自然科学的方法の本来のコースとは全く別な世界観に