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げんだいゆいぶつろんこうわ
現代唯物論講話
戸坂 潤
「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页
政治に対する組織的連関を有たぬという方針であることが、この文化的自由主義の自由主義たる所以だった、と云ってもいい位なのである。
念のために注意しておかなくてはならぬが、こうは云っても、この自由主義的文化運動は、その意図に於ては決して進歩的でなかったのではない。独り行動主義の運動に限らず、今まで云った殆んど凡ての動きが、フランスに於ける(第一回)〔国際〕文化擁護作家大会から、とにかくも有効な刺激を受け取っているのだという点を忘れてはならぬ(アメリカの作家大会も参照になっただろう)。読者も知るように、この文化擁護作家大会には、ソヴェート作家は云うまでもないとして、フランス、アメリカ、ドイツ、イギリス、支那其の他のプロレタリア作家・コンミュニスト作家・の多数が含まれているのだ。
この内、フランスの作家達が提唱したヒューマニズムは、明らかに文化的自由主義であり、A・ジードの個人主義的コンミュニズムなども実は、コンミュニズムであるよりも寧ろ文化的自由主義乃至ヒューマニズムなのだが、それにも拘らずこの文化的自由主義は、一定の現実的な社会的勢力・政治的根拠・に積極的に立脚していて、之をその観念の社会的支柱としているのだ。