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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页

青空文庫

このアカデミーやジャーナリズムが文化の促進発達を目標とするという名目上の建前が必要なのであって、そうでなければ一般的な支配の機関としてはとに角、支配の文化的な機関としては無意味でもあり役にも立たない。従って又それだけ、事実上自然と、文化の促進発達に資する結果にもなるのである。だから仮に文化の社会的条件(アカデミー組織やジャーナリズム)が、文化本来の自由を妨害し傷けるとしても、文化のそういう社会的統制は、却って文化の自由を実際化し現実化さすための避けることの出来ない犠牲であって、文化の可想的な自由を抑制するように見えるこの統制は、実はそれだけ文化の事実上の自由を成立させる如きものに他ならない。そういう意味から云う限り、文化のこの種の社会統制は、文化そのものの無条件的な宿命なのであって、今更驚くにも怪しむにも足りないことだ。

元来支配的文化、支配者的文化、その意味での階級文化というものが、こういうものなのである。文学者の文学的真理の探求と(いや例の逞しい自意識でもいい)今日のブルジョア・ジャーナリズムの利潤の追求とは、無論別で、従って或る限度までは矛盾するのだが、併しジャーナリズムは他の営業と違って、ブルジョア支配社会に於て受け容れられる限りのとに角文学的真理探究と云ったものを尊重しないでは、利潤の取得も出来