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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)

粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)

三遊亭 円朝

02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页

青空文庫

小「くれ/″\も仙太郎親方にお礼を云わなければ、どうも気が済まんようで」

重助「はい/\仙太郎親方がお聞きなすったら、どんなにお悦びか知れますまい、左様なら御機嫌宜う」

小「大きに御厄介になりました」

と表へ出ました。武家はメソ/\泣かないものだが、外へ出ると小左衞門の横死を思い出し、胸に迫って流石に猛き気象だが、オロ/\涙を落しながら、番傘を片手に持ったなりクヨ/\と思い詰め、高橋を渡って霊岸の方へ曲る道へ下りにかゝると、向うから駈けて来た一人の男は仙太郎で、闇さは闇し、互に顔は知らず、間違いの出来る時には仕方がないもので、仙太郎が駈けてまいる途端に小三郎に突当りましたが、きかない気象だから、

仙「ヤイ気をつけて歩け、間抜け奴、この頓痴気」

小「何だ怪しからん奴だな、手前の方から突当って置きながら悪口を申すとは無礼至極な奴だ、此方は避けて歩いて居るに」

仙「なにイ此の間抜けめ、下を向いてグズ/\歩いて居やアがるからだ」

と云いながらツカ/\と寄って来て、

仙「この野郎」

と小三郎の胸ぐらを取り、五人力の拳骨で押え付けられた時には、流石小三郎も息が止りそうになりました。