轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せいねん
青年
「昴」1910(明治43)年3月~1911(明治44)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,670 字 · 246 页
問題は制裁奈何にある。どう縛られるか、どう囚われるかにあると云っても好かろう」
二人は氷川神社の拝殿近く来た。右側の茶屋から声を掛けられたので、殆ど反射的に避けて、社の背後の方へ曲がった。
落葉の散らばっている小道の向うに、木立に囲まれた離れのような家が見える。三味線の音はそこからする。四五人のとよめき笑う声と女の歌う声とが交って来る。
音締の悪い三味線の伴奏で、聴くに堪えない卑しい歌を歌っている。丁度日が少し傾いて来たので、幸に障子が締め切ってあって、この放たれた男女の一群と顔を合せずに済んだ。二人は又この離れを避けた。
社の東側の沼の畔に出た。葦簀を立て繞らして、店をしまっている掛茶屋がある。
「好い処ですね」と、覚えず純一が云った。
「好かろう」と、大村は無邪気に得意らしく云って、腰掛けに掛けた。
大村が紙巻煙草に火を附ける間、純一は沼の上を見わたしている。僅か二三間先きに、枯葦の茂みを抜いて立っている杙があって、それに鴉が一羽止まっている。こっちを向いて、黒い円い目で見て、紫色の反射のある羽をちょいと動かしたが、又居ずまいを直して逃げずにいる。