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おりべというとうき

魯山人陶説

北大路 魯山人

北大路魯山人『魯山人陶説』。同一底本的分册已合并为一书。收入:織部という陶器、乾山の陶器、芸美革新、古唐津、古九谷観、志野焼の価値、瀬戸黒の話、陶器鑑賞について、備前焼、料理と器物、雅美ということ、古器観道楽、坐辺師友。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,241 字 · 127 页

青空文庫

朝鮮に幾分の「雅」の種子が見られないこともないが、惜しむらくはそれを育て且つ強く高く生かして行く器量が与えられていないために、俗雅、俗美に終っている。

中国は元来何をさせても風采国で、その出で立ちのお体裁は立派に見えるが、芸術上後に残らねばならない必須の条件たる霊性が不十分であって、その魅力の如きは、とても日本のそれに及ぶものではない。況んや「雅」の風情に於てをやである。

雅の要素は理屈で作れるものでは無い。理性で生まれるものでもない。国柄と人柄に根ざして生まれた不思議な持ち味である。蓋し日本民族が地球上の金的を当て得た褒賞に与えられた天恵である。

山城、大和地方に行くと、ごく一般の人までが八重桜の美しさよりも一重の山桜に風情のあることを知って、ゆかしくも興がっている。水の美しさとても能く弁えているかのようである。

日常生活に雅とか美とかを弁え、それを取り入れて楽しめる者は、たとえ貧乏暮しであっても金持ち性と言えよう。その心の底にはゆとりがある。金持ちであっても、貧乏性だと言われるたちの人柄に比ぶれば、随分幸福ものと言えよう。能く言うところの心の富者である。