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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)入される。尿道の拡張が目的で、拡張させた上で殺菌液を注入するのがブウジイ療法――なんとも、はや旧式な、鋳物屋を笑えぬ旧式さだが、そんな妙な棒を、ひとのヨシコのなかに串焼きみたいに突っこんでおいて、何分か放っておくのだから、放っておかれる身はたまらない。旧式の旧式たる所以である。ブウジイのさきで膀胱を刺戟されるせいか、たった今、小便をしたばかりなのに、なんだかひどく小便がしたい気持にさせられるんだが、棒を突っこまれた尿道では、小便も出せない。汚水の金魚みたいに大口をあいて、ハーハーと口で息をしていると、じりじりと脂汗が額ににじんでくる。
それが一遍や二遍ならまだいいけれど、細いのから、だんだん太い棒に移って行く。毎日、その拷問が執拗に続けられるのである。尿道の側管に忍びこんだリン菌を、そうして絶滅させるんだそうだが、まるで女遊びに対してバチが当って、いや、バチを当ててやると、俺はわざと苦しめられているみたいだった。
そのブウジイ療法の中途で、俺は慷堂からの伝言を聞いたのだが、その慷堂の家へ行ったちょうど前の日のことである。