轻松读懂日语经典作品
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
上の英字で Coca-cola とあって、下にそれと並行した横書きで「楽可口可」と書いてある。これも当て字のほうか、それとも意訳のほうか。
「コカ・コーラってなんだい」
戦後は誰だって知らない者のないコカ・コーラだが、当時の日本には輸入されていなかった。俺だけが知らなかったのではない。
「美国製の、アメリカ製のスイトサ(清涼飲料水)だ」
と丸万が言った。漢字は右書きだから、「楽可口可」ではなく「可口可楽」だと俺は気づいた。
「口ニスベシ楽シムベシか。うまい当て字を考えたものだ」
つまり俺はそんなふうに、至って呑気だった。上海の街頭風景は朝鮮などとすっかりちがって俺には物珍しかったからか。日本では見られない二階のある公共汽車(バス)が通っているのを俺は、
「ほう……」
と、洋行が初めての赤げっとよろしく感心したり、強烈な色彩の招牌(カンバン)や招旗(旗カンバン)が街の両側をびっしり埋めているのに驚いたりしていた。しかし一番驚いたことは、歩道を埋めている人波のすごさ、うじゃうじゃと人がひしめいているその雑沓、そしてあの碼頭での第一印象と同じ喧騒。
船から初めて中国を見たときの、あの惨憺たる眺めは、前述のような痛快感とともに、実はやはり、いたましい実感も、心の底によどませていたのだが、上海の街に溢れるこのエネルギーは、そんな