轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
俺もずけずけ言うと、女給は俺のコップをつかんでアワキス(ビール)を飲んで、
「そこが、ママの偉いところ……」
「テロリストはあいにく偉い奴は嫌いだね」
「あたしとおんなじ気持……」
「あら、頼もしい」
と俺はふざけた。そこへママの照子が来て、女給を座から去らせて、
「さっきのお話をうかがいたいわ」
「矢萩さんも命拾いをした」
と金原が、へんに眼がすわっている照子にずけずけ言った。
「俺を呼び出しに来た四・五・六のロクが俺に、矢萩大蔵をやれと言ったんだが、かわりに俺はロクの奴を……」
あとは言葉を濁したが、それと照子は察した顔だった。俺がコロシをやったと分っても、一向に動じないで、
「あと、面倒じゃなかったの?」
「うまい工合にこの金原君が偶然居合わせてくれて、助かった」
偶然? と照子は言って、
「清さんのあの綾子さんに頼まれたんじゃなくて?」
ほんとは偶然居合わせたというのではなく、俺の身を守るようにあらかじめ綾子から頼まれたんじゃないかという意味だ。図星だったのだろうか、金原はいやな顔をして、
「矢萩大蔵を助けろと言われたわけじゃない」
「ちょっと、ボーイさん。ウィスキー」