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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
だったかのように見られるに至った。ボル派の宣伝だけが一方的に生きている現在、俺たちがその昔、革命的エネルギーを労働者の胸にどのくらい燃え立たせたか、それはまるで無視されて、アナーキストといえば、さも「社会主義の敵」だったかのように思われている。
死にぞこないの俺――俺たちはロシアのテロリストを先覚者として仰いだのだが、ロシア革命の原動力となったかのテロリスト――爆弾を抱いて死んで行ったかの虚無党の多くの無名の同志、あれも等しく「社会主義の敵」なのか。「人道の敵」だったのか。わが身はギロチンの露と消えつつ、虐げられた民衆の心に革命精神を点火したかのテロリストは、「人民の敵」だったのか。
福井大将を狙撃して、死刑に処せられた俺たちの同志も、革命精神の「仇敵」なのだろうか。あれは報復というだけでなく、眠れる民衆の心をそうして目覚めさせたいとするテロリストの直接行動だったのだ。
ボル派に追いまくられての、ややヤケっぱちな矯激行為――現在から見れば、そういうところもあるけれど、ボル派の奴らがそう言ったりすることは許せない。衝動的な自殺行為とはちがって、言ってみれば、わが身を死刑台に送りこむために、着々と暗殺計画を立てていたのだ。