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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

社会学とは形式の学――形式社会学の如き――ではなくて、歴史的な現実の学でなければならないと云うのである。

併しこの社会学に、もう一つの限定を加えなければその限界が明らかにならない。人々は寧ろ社会学という名に値いする最もプロパーな現象を、ドイツに於てよりも却って、フランスや又はアメリカに於て見出さねばならないだろう。ドイツ社会学の多くは、謂わば哲学的であると云っても好い。ドイツに於ける殆んど唯一の優れた実証主義社会学者――その意味で又古典型の社会学者――と云われるF・オッペンハイマーさえ、多分にドイツ哲学的なラッツェンホーファーの学徒に数えられる。処が之に反して、フランスに於ける社会学は、始めから謂わば科学的であったと云わねばならぬ(後には之が科学主義・社会学主義となる)。サン・シモン乃至コントの古典的な社会学がすでに、コント自身が云うように、社会物理学として特色づけられた。アメリカ社会学の古典はスペンサーであるが、彼がダーウィニズムを社会理論へまで拡大したものであったことは改めて云うまでもない。フランス社会学――スペンサーも亦無論この系統にぞくする――が併し、矢張り一つの歴史哲学(そこではサン・シモンやコントに先立ってコンドルセを忘れてはならぬが)から出たということ、或は寧ろ夫がフランスの歴史哲学自身で