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イデオロギーがいろん
イデオロギー概論
戸坂 潤
第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页
実際、群衆心理学(又は集団心理学)は、無論社会心理学の凡てではないが、その中心をなしている。
だが茲でも亦吾々は群衆(乃至集団)心理学なるものの科学的意図を検閲しなければならない――社会心理学の場合と同様に。夫は無論群衆乃至集団の心理学である、併し実はただそれだけではない。多くのそれは、群衆乃至集団を本質から云って第一義的に心理的乃至精神的なものと仮定し、そしてそこで初めて之を心理学的に記述又は説明しよう、という意図を有っているのである。全く、都合の好いような仮定に基けば、都合の好い説明を下すことは容易だろう。併し一般に社会がそうであるように、群衆乃至集団の本質は、第一義的に、決して心理的乃至精神的なものに求められてはならない*。何故なら、例えば階級――之は少なくとも一つの集団である――の本質は階級意識にあるだろうか。もしそうならばプロレタリアはプロレタリア的階級意識さえ持たなければ、貧乏しないで済む筈ではないか。――それにも拘らず、社会心理学者達は、群衆心理学乃至集団心理学に於て、群衆乃至集団に心的――心理的乃至精神的――本質を発見する。群衆心又は集団心(group mind)なるものがこの本質の――この実体の――名なのである。