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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

こう考えて見ると、イデオロギーという概念を承認するかしないか、又どの程度に夫を承認するかは、その国のインテリゲンチャがどの程度に進歩的であるか無いかの標準になる。蓋しインテリゲンチャの最も手近かな問題は、要するに知能的な――インテリゲンツの――問題であって、従って文化とか意識とかが彼等の何よりもの生活問題になるのが普通だから、彼等にとってはイデオロギーが最も手近かな問題であり、即ち又イデオロギーの問題は、彼等によってこそ最初に取り上げられる理由があるのである。

わが国のインテリゲンチャも国際世界の大勢に従って、資本主義制度の社会的停滞と共に次第に無用のものとなり、それだけ自然の結果として低能化して来た今日、丁度ドイツの学生達が反動的であるように――彼等はその進歩性をフランス大革命への感激の涙と共に流し去って了った――反動化しつつあるのは事実である。そうだとすればたといイデオロギーという言葉が一般的に適用していても、イデオロギーという問題そのものはわが国のインテリゲンチャにとって、次第に意味を失って行くかも知れない。インテリゲンチャはその唯一の特有な社会的能力である処の彼等のインテリゲンツ(知能)を失って了う、イデオロギーなどという問題は彼等にとってどうでも好くなる。