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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

で二つのものが有機的な連関に齎らされそうな手懸りは、今日ではもはやどこにもない様に見える。アカデミズムとジャーナリズムとは本来歴史的社会の運動に関して、初めから有機的に連関して相互に補い合う筈の、二つの契機――二つの極――ではなかったか。この二つのものの有機的な連関を、処が、近世資本主義が分解して了ったのである。かくて今や二つのものは歴史社会自身にとっての矛盾物であるばかりでなく、そうであることによって又相互に矛盾せざるを得ないものとなる。

救済は併し空から天降って来ることは出来ない。丁度資本主義は資本主義自身の用意した契機によって止揚されねばならないように、この二つの矛盾物は、それ自身の力関係の内から矛盾の解決の鍵を見出さねばならぬ。

実際、今日のジャーナリズムは次第にアカデミズムの従来の領域と権威とを奪い、良かれ悪しかれその力を増大しつつある。わが国などではジャーナリズムと云えば以前は単に文壇的なものとしか考えられなかったものが、今日ではアカデミーの独壇場であった理論の世界を蚕食して、論壇が形成されるに至ったのを見る。ジャーナリズムは理論的ジャーナリズムにまで、進行したのである。