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フレップ・トリップ

フレップ・トリップ

北原 白秋

「女性」プラトン社、1925(大正14)年12月号~1927(昭和2)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,698 字 · 293 页

青空文庫

オホツク海は海豹島に三十万羽も羽ばたいているというロッペン鳥を聯想して、吾々の六人をもじったものだ。たわいのないことおびただしい。このロッペン団かなり不良である。

真岡駅へ着いたのが九時。その駅前のなにがし洋食店の階下から見た外光はすでに白く輝いていた。自動車の来るのを待つ間に私たちは幽かに沁み出る額の汗を感じながら、爽やかなアイスクリームの黄を啜り、水筒に水を、弁当鞄にサンドウィッチを、チョコレエトケーキ、餡パン、思い思いに用意した。

と、自動車の爆音がした。それが、このひどいぼろぼろの幌の、タイヤであった。高等の大型だというのがこれである。それにやっと六人が膝と膝とを突き合せると、運転手がすぐに一人十五円ずつの切符を切りはじめた。一台六十円の貸切りという約束とは違っている。それにまた山高帽に青風呂敷の蝙蝠傘の尻端折の男を一人、途中から拾って無理にも割り込ませようとした。これでは乗合いであって特別仕立てではない。貪慾にも程があると思っていると、とうとう庄亮が怒り出した。

「俺は、何だそのぉ、日本新聞聯盟の外報部長をしている。」

「へへ。」

「鉄道省の鉄道会員としても視察に来たものだがね。