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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
「女性」プラトン社、1925(大正14)年12月号~1927(昭和2)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,698 字 · 293 页
パルプ
まあいいさ。日本精神への復帰ということだろうから。僕はこれで真実の尊皇だからね。」
「そうだな。それは知ってる。」
「結局日本は日本だよ。日本人は日本人だ。」
「となるね。」
「何でも東洋芸術に限る。そう思わないのかな。」
「あっはっは、思うよお。」と、我が庄亮は、また蠅の如くにその両手を頭の上で揉みあげた。
銅鑼が鳴る。
お、夕餐だ。
船が出る。スクリューが響く。汽笛が鳴る。お馴染の船室の揺れが、コトコトとまた笑い初めた。
附記
安別の小学の生徒たちのために、私は一つの童謡を茲に贈り物とすることをせめてもの私の心やりとする。
海は鞋鞍、
夏の暮。
犬よ、のそりと
出て見ぬか。
鰊乾場の
葱坊主、
鴉つついて
啼かないか。
ここはお国の
北のはて、
赤い夕日も
もう寒い。
パルプ
甚深微妙の音もなき響の響が其処にはあった。内に黒く剛い、しかし外に灰銀の柔かな、平滑な光の面、面は縦に大きく円く、極めて薄手の幅を持って、その両面が、一方は紫の陰影をしかもまた旋転光の数かぎりなき細かな輪の線を辷らしながら、目にも留らぬ速さで廻っていた。無論腕木の支柱があり、黒鉄の上下槓が横斜めに構えてはいた。