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フレップ・トリップ

フレップ・トリップ

北原 白秋

「女性」プラトン社、1925(大正14)年12月号~1927(昭和2)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,698 字 · 293 页

青空文庫

国境とはいえ、警備隊も監督官もいるわけではなし、出入自在であるようにも見られた。簡単なものだと私たちはまた顔を見合せた。

ここでカメラを向ける者がかなりパチパチやった。

私と友とは、ここで一つ撮ってもらった。武田信玄と国定忠次という奇異な恰好でである。

誰だか露西亜の方を向いてつくづくと放尿していた。

天測点はついその上にあった。海上一キロメートル若干の地点である。

其処にも虎杖の花は今がまさに盛りであった。

この虎杖は露西亜領の花

歌の四五句が口をついて出た。だが、一二三句はどうしても出来ないで、私はまた帰路についた。

そこで天幕に再びもぐりに行ったものだ。

「麦酒の代は払って置きますよ。」

それからシトロンを一本あけてもらったが、また金は払わずに飛び出す私を私は見出した。

慌ててまた引き返した。

すばらしい斜面の緑、辷る辷る辷る。

*

ワレラコクキヤウニアリ

妻子を初め東京の諸友に、その安別から打電した時には、私もまた意気軒昂たるものがあった。

小学校の粗末なテエブルの上で、私はしきりに頼信紙の雛をのべていたが、庄亮君はまた絵葉書に即興の歌などを走り書きしていた。