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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页
日本語の、芸術家のよく用いるあの「間」は、「間あい」「間があう」「間がぬける」「間にはまる」「間がのびる、ちぢむ。」というあの間は、時間にも用い、空間にも使うのであるが、これなどは、まったく日本的なものなので、英語に訳しにくい言葉である。テンポでもなく、スペースでもない。
お能で、あの太鼓がポーンと切り込むが、あれなどは、それまでの一切の時間を、切って捨てたような感じのものであって、決して、オーケストラのリズムのように、次から次に続くものの、その一つをうっているような太鼓ではない。前にも、後にもない、鋼鉄のようにしまりきった時間を、ポーンと、凝集しきった形できめつけるような太鼓なのである。頭の中のものを裂かれるような快さである。モヤモヤした何ものもが、脱落しきった感じなのである。
これが、日本の「間」という日本の芸術の時間なのである。時間が、糸のように連続して流れていると思っていたのに、むしろ、切断されてしまって、ほんとうの自分が流れ動き、新しいものになっているのを感ずるのである。
前の時間が、そのまま流れているのは、滞っているのである。切って捨てて脱落して新しく生まれるからこそ生きているのである。