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ちょうさきかん

中井正一評論集

中井 正一

中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页

青空文庫

の自分にめぐりあうことであることを、繰り返し繰り返して考えてきたのである。自然を見て、美を感ずるにしても自分が自分の中に安んずるというような、解放されたこころもちを感ずることと自分はいったのであるが、しかし、安んずるといっても、すっかり手足を伸ばしてグーグー寝込んでしまったのでは駄目である。自分が自分自身の無理なもの、無駄な飾り、いらない重たいものから抜けだして、日に新しく、日に日に新しく自由な、ほんとうのものになるということの中には、常にまといつく古いもの、進みいこうとする足もとに群がってやってくるタックルのようなものを鋭くはらい捨て、脱落し、脱走するある切実なものがあるわけである。万葉時代から中世にかけての自然に対決するこころも、いわば「さやけさ」、「清明」きよくすがすがしきものも、やはりかかるすべてを脱した虚なるものである。わび、すきというけれども、そのすべてが、重くるしいもの、無理なものをふり捨てて、みな深く切実な一心の集中によって、心の飾りをふり捨て、深い沈潜となり、人生の寂しいまでの奥底を見せることなのである。しかしやがてこれが、だんだん言葉の遊びとなり、マニエールとなるのである。