轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1~2月、5月~1935(昭和10)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 155,989 字 · 311 页
空き家のように道具のないガランとした部屋の中、赤茶けた畳の上で、猛獣使いがはじまったのだ。大きな熊が芸当を仕込まれているのだ。
使われているのはほんとうの人間、皮一枚の下は美しい文代さんの丸はだかだ。そして、猛獣使いの方はというと、ハッピを着て二本の足で立ってこそいるものの、彼自身一匹の猛獣なのだ。豹の眼と豹の牙と豹の舌と、それから豹の心を持った獣人なのだ。途方もない漫画である。世にも恐ろしい残虐な漫画である。
だが、「人間豹」は一体全体なにをしようというのであろう。ただ熊の皮を着せてもてあそぶのが最後の目的ではないらしい。文代さんの行く手には、もっともっと恐ろしいことが待ち構えているのに違いない。恩田は「死刑」という言葉を使った。それは果たしてどのような残虐を意味するのであろうか。
「では、きょうはこのくらいにしておきましょうね。さあ、さあ、お熊さんは檻の中でおとなしくしているんですよ」
恩田は熊を押入れに追い込んで、例のがんじょうな木箱の中へ抱き入れ、上から蓋をしてしまった。
「お熊さん、お腹がへったでしょうね。いま持ってきて上げますよ。お前の好物の兎の生きたやつをね。