轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

のぶこ

伸子

宮本 百合子

「改造」1924(大正13)年9月号~1926(大正15)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 232,543 字 · 466 页

青空文庫

――ミセス・レイマン――あの面白い書体でよく手紙をよこすお婆さん、お前も知っていましょう? 私がいた頃、よくお前のよこす手紙なんか見せてやったんで、今でもリットル・ノブはどうしたと云って来る……」

伸子が落着き場の選定に苦しむのは、またほかに理由もあった。父について紐育へ来たのも、彼女は自分が欲する通りに生きて見る機会を得たいのが主な動機であった。佐々の家で伸子は長女であった。勝気な母の多計代のひそかな大望の偶像にされそうなところがあったり、中流家庭の娘として、伸子が望むだけどしどし人生に突入することを許さない掣肘があった。このままでは、自分が半分も生きるだけ生きていない。生活が未だ始まっていないという意識が、少くとも過去三年彼女を苦しめつづけて来ていた。(伸子はその時西洋流に数えて十九歳と数ヵ月になっていた)父が旅行する。お前も一緒に行ってよい。……両親が彼らの間でどのような相談をし、どのような意向でそれを決定したにしろ、伸子にとっては、親の家を離れて生活できるというだけでも大したことなのであった。

十一月十一日の休戦布告後はよかれ、悪しかれ画時代的な社会の騒音が、ホテルの窓ガラスを叩いて伸子の心へも伝わって来ていた。