轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かちうんまけうん

勝ち運負け運

佐々木 邦

「キング」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,262 字 · 243 页

青空文庫

と僕はこのところ、一寸利かした積りだった。心配させて置いて後から安心させる方針だ。

「事情が事情と申しますと?」

「実は僕から申上げ難いんです」

「どうぞ御遠慮なく」

「早いお話が、菊太郎君の方から見初めてしまったんです」

「何んな婦人ですか?」

と市※さんは果して急き込んだ。当然カフェーあたりへ見当をつけたのだろう。

「これが女給とか芸者とかいうものなら、僕だって御相談には乗りません。しかし菊太郎君はナカ/\純な人です」

「悪いことはしまいと思いますけれど、相手は何者ですか?」

「○○生命の重役の令嬢です」

「はゝあ」

「去年の秋からです。始終一緒の僕さえ一杯食ったんですから、お家の方が御存知ないのも無理はありません」

と僕は物語りに移った。菊太郎君の見識を保護してやる必要は少しも認めない。市※さんは中途で奥さんを呼んで、僕に初めから話し直させた。僕としては菊太郎君のお母さんには豊子さんの件で見識を失っているから、その腹癒せが手伝った。しかしそれだけに有効だったろう。

「まあ/\、呆れたものでございますわね」

とお母さんは聴き終って驚いた。

「実際思い詰めているんです。