轻松读懂日语经典作品
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,262 字 · 243 页
「しかし大きい方が立派です」
「何あに、独活の大木ってことがある」
「はゝあ。身体ばかり大きくて成績が好くないんですね」
「そうさ。大男総身に智恵が廻り兼ね」
「あゝ、それは知っていました。同じ智恵なら、小男の方がよく廻る勘定です」
「山椒は小粒でも辛い」
と父親は一々諺で答えてくれた。父親も元来大きい方でない。こういう諺は皆小さい人が拵えて、小さい人が宣伝するのらしい。
僕は早速これを応用した。菊太郎君は一々思い当ったと見えて、もう自慢をしなくなった。
「君は山椒かも知れないよ。僕は独活かも知れない」
と言った。案外正直なところがあるから可愛い。もう一つ僕が菊太郎君に感心しているのは何処までも僕の味方になってくれることだった。小学生は時折喧嘩をする。先生に見つかると叱られるけれど、腕力を出す必要が往々ある。僕は或日同級生を泣かしてしまった。相応理窟があったから宜い積りでいたら、翌日帰りがけに、その子の兄貴の六年生が門のところで待っていて、
「金子君、一寸そこまで来てくれ」
と言った。此方は四年生だ。小学時代は二年違うと、体格がグッと違うから、迚も勝味がない。