轻松读懂日语经典作品
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,262 字 · 243 页
成績は兎に角、実力は僕の方が君よりも上だ」
「何故?」
「僕は一遍で入ってしまった。君は三度目の正直で、漸くだったもの」
「受けた数から言えばそうだけれど」
「もう少しで三振だ。危かった」
「うむ」
「僕は一遍で本塁打をかっ飛ばしたんだからね」
と菊太郎君は威張った。妙なところで功名をされてしまった。数量が分るだけで、質を考えない。今でもこの調子だ。僕が千円儲けた時、自分も千円儲ければ、同じことだと思っている。鞘の違いのあるのは気がつかない。精々二三円のところを掬って得意がっているから、仕事が小さい。僕は十円以下は問題にしない。相場師は要するに鞘師だ。
それは兎に角、中学校へ入って、豊子さんが大いに敬意を表してくれた。
「豪いわね。もう中学生ですもの」
と言って、僕の制服の金ボタンを弄りながら溜息をついた。
「ヘン」
「三度目でも威張れるわ」
「知っているんですか?」
「兄さんから聞いたのよ」
「しかし府立はむずかしいんですよ」
「分っていますわ」
「今度はもう頼朝義経じゃないんですから、本気になって勉強して、優等になって御覧に入れます」
「何うぞ」
「宜いですか?」
「えゝ」
「本当に大丈夫ですか?」