轻松读懂日语经典作品
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,262 字 · 243 页
「うむ。人間は相見互、同級生のことを考えてやる必要があるよ。殊に本科になると成績が直接一身上に関係するから可哀そうだ」
「それはお互っこだろう?」
「いや、君と僕は特別に恵まれた境遇にいるんだから、無理算段をして同級生に迷惑をかけるには及ばない」
「成程。分ったよ」
と僕は菊太郎君の意のあるところが直ぐに読めた。勉強の約束を取消したいのだ。
「此方が上へ行けば、下へ行った奴等は就職に困る。競争の必要があれば兎に角、妨害だからね、事実上」
「さあ。計算に入らないんだから、別に妨害にはなるまい」
「しかし席順ってものがある。此方が上になれば、就職の必要のあるものがそれだけ下になる。指定席を持っているものが普通席を塞ぐ勘定さ」
「僕はもう何も言わない。面倒だ。豊子さんさえ貰えれば宜いんだから、学校のことは君の考え通りにしよう」
「大同小異だよ、学校の成績なんてものは、単に数名の教授の個人的意見に過ぎないんだから、重きを置くに足らない」
「うむ」
「本科になったのを丁度好い区切りに、軽蔑してしまおうじゃないか?」
「しかし……」
「君は几帳面だから、矢っ張り予定通りにやらなければ気が済まないのかい?」