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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
「ラヂオ科学」1936(昭和11)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 页
一目散に二人は駆けだした。もちろん武夫のコンパスは巨人のコンパスだったから、たちまち大隅を馳けぬけて先頭を切った。
やがて二人は、だだっ広い広場の前に立った。それは先刻まで本館がたしかに建っていた地所に違いなかった。
「そうだ。ここに違いない。あれ見給え、建物の跡だけが、まるでマグネシウムを燃やしたように真白になっているよ」
「ははあ、よく分りますよ。たしかに本館の跡です。――本館は爆発してしまったのでしょうか」
「うん、爆発したのかもしれないね。待て待て、ことによると、これは……」
と、大隅はなに思ったものか、急に空を見上げて、両手を翳した。そしてしばらく何かをしきりに探し求めているようであったが、
「ああ武夫君。あれだあれだ。あれを見給え」
「ええ、あれとは……」
武夫は大隅の指す方を共に見上げた。
「ホラ、向うに見える白い雲の切れ目のところだよ。妙な恰好なものがピカピカ閃光を放ちながら舞い上ってゆくじゃないか」
「ええ見えます見えます。呀ッ、あれは家の形をしていますよ」
「そうだともそうだとも。よく見給え。あれはさっきまでそこに立っていた本館だよ」
「ええッ、あれが本館!」