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ちきゅうとうなん

地球盗難

海野 十三

「ラヂオ科学」1936(昭和11)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 页

青空文庫

辻川博士は、前からウラゴーゴルと深い関係があったようだが、いや電話の切れた前のはなしによると、ウラゴーゴルの白幽霊連中からなにか迫害を加えられているらしい様子だ。白幽霊にとっては大事にしなければならぬ博士を苦しめるとは、一体全体どうしたことであろうか。

電話の不通が直る間、ぜひ大隅学士の話を聴きたいという天文台の幹部学者の申入れがあったものだから、大隅はその席に出た。それは涼しい北向きのベランダで、冷い水とメロンと洋菓子とが出ていた。

謙遜する大隅を主座になおして、学者たちは矢追村における異常成長現象について、思うままの質問をした。大隅は知っているだけのことをくわしく答えたが、学者たちはその一つ一つに愕きを新たにした。

台長の河内老博士も席に連っていたが、このとき口を開き、

「矢追村の異常成長現象は、実に貴重な発見だと思う。気象台でも、この頃は気象全般にわたって、例年とはまるで違った数値が観測されるので、それをどう解釈すればいいかと、所員一同手を拱いているという話だ。わが天文台でも、急にウラゴーゴル星の接近に気がつき、それからこっちというものは大騒ぎをしているというわけだ。