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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
「ラヂオ科学」1936(昭和11)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 页
この調子だと、目が覚めるのは、多分明日のお昼ごろになるだろうという話です」
「明日のお昼ごろ?」それでは、明日のお昼ごろまでは、武夫の消息もハッキリ聞くことができないのだ。大隅は失望して、踵をかえそうとすると、書記が声をかけた。
「大隅さん。お美代坊は、『大亀のような甲虫がとびついてくる』などと譫言をいうとるが、気が狂ったせいだと思いますがな」
「大亀のような甲虫――ですって」大隅は目を大きく開きながら、「それは面白い謎ですね。お美代さんが気が変になっているにしろ、いないにしろ私はその譫言を実に興味深く聞きます。こいつを真面目に取ると、それはいま学界で問題になっているネス湖の怪物などに関係がついてくるのです。どうです、この村には、今までにそのように大きい甲虫を見かけた話があるのですか」
「いや、どうしてそんな莫迦気た話などがあるものかね」
と一言のもとに否定した。
「書記さん。私はあの櫟林の中を探して、武夫君の行方をつきとめたいんですが、貴方も一緒に行って呉れませんか」
「ナニあの魔の森へ……。いや、あの森ばかりは勘弁して下せえ」
「おや、貴方もやっぱり恐怖組ですね。