轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちきゅうとうなん

地球盗難

海野 十三

「ラヂオ科学」1936(昭和11)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 页

青空文庫

博士はパネルのところから戻ってきた。

「さあ……。と、これでよかった筈じゃが……」

といって、また丁寧に、装置を調べはじめた。

大隅学士は、無言で博士の眼を睨みつけた。彼はこの際、口に蓋をされていることが、とても残念だった。

――疑問に思っていることを、一つでもよいから、博士が明かにしてくれればよいと思った。しかし博士は、大隅学士などに用はないといった様子で、光線器械の横にすこし前屈みになって、しきりと調整に取りかかったのだった。器械になんだか調子の悪くなったところがあるらしく、博士はなかなか立つ様子がなかった。

このとき手術台の上に寝ていた大隅学士は、苦心の末、ようやく口の中に詰められていた綿のようなものを、舌でもって外に押しだすことができたのであった。彼はたいへん呼吸が楽になったので元気を盛りかえした。手術台の上の彼は、更に第二段の工作にうつった。まず何とかして手を外したい。身体をソッと曲げて渾身の力を籠めよう……としたときに、彼は室内に思いがけない新しい人の気配を感じてギクリとした、

「呀ッ、あいつだッ」

いつ入って来たのか、佐々砲弾が忍び足でこっちへ向ってくる。