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だらくろん(ぞくだらくろん)

堕落論・日本文化私観 他二十二篇

坂口 安吾

坂口安吾『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』。同一底本的分册已合并为一书。收入:堕落論〔続堕落論〕、悪妻論、意慾的創作文章の形式と方法、インチキ文学ボクメツ雑談、咢堂小論、教祖の文学、戯作者文学論、デカダン文学論、文章の一形式、武者ぶるい論、文字と速力と文学、余はベンメイす。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,198 字 · 171 页

青空文庫

之は又、政治家の魂であるよりも、むしろ文学者の魂であったと僕は思う。

文学というものは常に現実に満足せざるところから出発し、いわば現実と常識に対する反骨をもって柱とし、より高き理想をもって屋根とする。政治と妥協する文学は一応は有り得ても、その政治が実現したとき、文学は更にその政治の敵となって前進すべきものである。より高きもの、より美しきもの、文学は光をもとめて永遠に暗夜をすすむ流浪者だ。定住すべき家はない。政治の敵であることによって、政治の真実の友となるのであって、政治は文学によってその欠点を内省すべきものである。なぜなら社会制度によって割りきれない人間性を文学はみつめ、いわば制度の穴の中に文学の問題があるからだ。政治が民衆を扱うとすれば文学は人間を扱う。そして政治、つまりは現実と常識に対する反骨が文学の精神であり、咢堂の精神は概ねかくの如きものであったと僕は思う。

彼は大臣にもなったけれども実務家として無能であって、彼の政治行動は一貫した反骨精神の中に存していた。そしてこの反骨と理想と理論は、議会の議席の中にあって始めて意義を生ずるかといえば、必ずしもそうではない。