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てんのう
天皇
蜷川 新
誰が日本民族の主人であるか
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 136,036 字 · 269 页
しかしながら、維新のときには、庶民から、ひじょうにすぐれた人物も出てはいない。国事に働いたものは、多くは各藩の士分の人間であった。
服部之総氏の著『明治維新』によれば、つぎのように書いてある。
「一八六八年から一八七七年におよぶ明治初年の十年間だけで、これまで用いられた『一揆』ということばのかわりに、『農民騒擾』という文字で記録されているような大がかりな暴動が、こんにちの三府四十三県ぜんぶにわたって、一つの漏れもなく、三百件ちかい数にのぼっていたという事実は、全国の農民が、維新後、日本農村のこの風景を変えたいと願って、立ちあがったことを物語っています。」(同書八六ページ)
この記述は、維新以後において、日本の農民が、日本の政治の改革に、参与するようになった事実を、明らかにされたものである。それはすなわち、維新に参画したのではない、との説明でもある。
明治天皇政府は、「万機公論に決すべし」との天皇の誓文を、誠実に実行しなかった。それは人民の憤りを、政府がみずから醸しだしたのである。民主日本の改造は、日本の全人民によって、おこなわるべきものである。
幕末には、幕府は、昔からの武士独占の政治をあらためている。