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てんのう

天皇

蜷川 新

誰が日本民族の主人であるか

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 136,036 字 · 269 页

青空文庫

このようないきさつがあるにもかかわらず、日本の天皇と政府とは、民主主義による、憲法の制定を、誠実におこなわなかった。日本の政府により、松本案というものが示されたが、旧憲法と、その本質はまったく変わっていないものであった。

当時の内閣の大臣は、「憲法改正の必要はない。」と新聞記者にかたり、美濃部達吉博士は、「憲法の改正にはおよばない。解釈の方法を、民主的におこなえば、それで足る。」と記者へ口外した。また新聞の投書欄にも、「憲法は改正におよばず。」と書き、それが記者からとりあげられていた。(当時の朝日新聞)

そこで私は、一文を朝日新聞に投じて、憲法の改正または新憲法の必要であることを論じてみた。それは同紙のとりあげるところとなったが、長すぎるというので、大分にちぢめられて新聞の片隅の『声』欄にのせられた。

日本は、ポツダム宣言を受けいれながら、はなはだしく不誠実であった。列国としては、この不誠実を許さないのは国際法上、当然の権利であった。そこでマックアーサーは、その幕僚に命じて、日本憲法の原案を起草せしめることになった。それにかんする事情は、前にあげたマークゲーンの『ニッポン日記』