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てんのう

天皇

蜷川 新

誰が日本民族の主人であるか

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 136,036 字 · 269 页

青空文庫

議事の制度を立てたのは、世論を公けにとりあげて議する政治を実行するためである。」

* 維新後、一時、貢士といって、各府、各藩、各県から選抜して、中央に人を出した。世論を反映して、公議するためであった。

この『政体書』によれば、幕府から天皇に移った権力は、天皇に帰したのではなく、太政官に帰したと書いてあるのである。これは、天皇権力万能主義でなかったものと、解すべきであろう。そうして、各府、各藩、各県から、貢士を出すという制度であるから、封建と郡県とまじりあった政体であったことを示している。そうしてまた、世論を公議するという政治のやりかたが明らかにされてあるから、民主的な政体とすることが目的であったものと、解すべきである。

このとおりに実行されていったならば、日本はそのころから、民主的な国になっていたのである。徳川慶喜の政権放棄の上書にも、公論政治をおこなうべきことが、明らかにされている。幕府の人小栗上野介は、そのまえから、日本を郡県制の国にしなければならぬと、公言していた。日本は、その時代から世界とともに、民主国となるべき方向にすすんでいたのであった。