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おんなきしゃのやくわり
女記者の役割
野村 胡堂
「文芸倶楽部」1930(昭和5)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,039 字 · 32 页
「なるべく多勢、各社を網羅した方がいいが、一度入ったらあれは冗談だなんて言っちゃいけないよ」
「そんな事を言うもんか」
「特種の条件は、一社独りよがりの種では駄目だ。その特種が新聞へ出たら最後、東京中の新聞が、否応なしに引ずられて付いて行くような種でなくちゃいけない」
「勿――」
「動物園のお猿が児を産んだ――位の種じゃ駄目だぜ」
「くどいな高城、俺にはちゃんと成算があるんだよ」
「本当か」
「本当にも嘘にも、――今日は土曜日だろう。エート、関東新報の遅くも火曜の朝刊で、お前達が皆んな目を廻すような、驚天動地の特種に出っ会わすぜ。大丈夫か」
「何を言うんだ、気は確か」
「何を言うんだとは何んだ、見くびってもらい度くないネ」
「ところがネ早坂君、俺の方にも取って置きの種があるんだよ」
「ヘエ――、敵にも亦伏があるってわけだね、有難いな、相手に用意があると聞くと、張合があっていい」
「言う事が大きいネ」
「ボーイさん、カクテールを一杯宛、人数だけだ、前祝に献じよう。――どっこい、園女史はアルコホールでもあるまい。お人柄だけに甘いものでも差上げてくれ」
足の勇はいい心持そうに大束を極めて居ります。