轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年6月~7月、9月~10月、1932(昭和7)年1月~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 66,038 字 · 133 页
走る車中で、蘭堂はまるでドクトル・ワトスンの様な、間の抜けた質問をしなければならなかった。
「エエ、そう思いますわ。雑沓すればする程、賊の思う壺なのよ。恐怖王のこれまでのやり方を見れば分りますわ。あいつは、悪事を見せびらかすのが大好きなんです。死人との結婚式を、大百貨店で挙行するなんて、如何にも恐怖王の思いつき相なことじゃありませんか」
「それは僕も同感だけれど……」
「先生、ゴリラ男がつかまったのは上野公園の近くでしたわね」
「エエ、……そして、D百貨店も上野公園の近くだというのでしょう。そこまでは分るけれど」
蘭堂は一寸くやし相な表情をした。
やがて車はD百貨店の玄関に到着した。
二人は、買物に来た夫婦の様に肩を並べて、店内に入って行った。
「一体この華やかな店のどこの隅に、恐怖王が隠れているのです。あなたは僕をどこへ連れて行こうとおっしゃるのです」
蘭堂は夏子に一杯かつがれているのではないかと疑った。
「六階よ。マア、あたしについて来てごらんなさいまし」
未亡人はすましてエレベーターの昇降口へ急いだ。
そこで、エレベーターを待つ間に、ふと蘭堂の注意を惹いたものがある。