轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せいじがくにゅうもん
政治学入門
矢部 貞治
「政治学入門」アテネ新書、弘文堂、1951(昭和26)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 49,607 字 · 96 页
民族の要素を無視しては、現代の政治は理解できない。
それでは民族と階級との関係はどうであろうか。この二つのものは、まことに現代政治の交錯し背反する二大要因である。国内では主として階級が分裂的要因で、民族が統一的要因であるが、国際関係では一般に民族は対立と分裂の要因で、階級の対立が国際的に組織化され、資本家や労働者のそれぞれの国際組織が力を持つようになると、かえって階級の方が統一的で、民族の方が対立的な要因となる場合もある。
しかしながら少なくとも歴史の現段階では、何といっても民族が基本的で、階級は民族の基盤の上での分化にすぎないことを、否定することができない。前にいうごとく階級の分化そのものが、共通の生活秩序や生産関係の中で、相互に他の階級に依存し、相互にバランスを保つことによって、存立しているのであって、この共通の生活秩序ないし生産関係の土台は、少なくとも現段階では、世界や人類ではなくて国家ないし民族である。その意味で労働者階級も資本家階級も、絶対的に分裂することはできぬし、階級は民族から完全に抜け出ることはできない。労働者が資本家になったり、資本家が労働者になったりすることはできるが、日本人がスラブ人やゲルマン人になることはできない。