轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

09 第九分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 页

青空文庫

要するに、勝家の“位”がきいていたために、秀政としても、うかつに動き得なかったものである。

ここでいう“位”とはいわゆる位階勲位などの、それとはちがう。

よく平俗のあいだに、

“位”がきく。

“位”がきかない。

などといわれるあのことばなのである。棋盤の上での戯れによく使われるが、因りはやはり兵学上の語だろうと思う。聖賢の語は、こう率直でない。

軍容、陣気、静、動――すべて、“位”の光揚である。機変も、初謀も、外に“位”がきかなくては行われ得ない。外交でも政治でも、これがものをいう範囲は大きい。

一つの家でも、家の主にして、ひとたび“位”を失わんか、わが女房にすら、あげつらわれる。一戸の亭主においてすら然り。“吏”の時務、指導者の指揮、大臣の威令など――言を俟たない。

――この朝、堀秀政が、突如、進撃を決して来たのも、敵本陣の空気に、不審を認めたからではあるが、換言すれば、それは勝家の“位”のやぶれによるともいえるのである。

毛受家照

秀政の兵五千のほかに、麓の街道に駐屯していた小川佐平次祐忠の一千も、ひとつになって狐塚の正面へ当った。

先鋒槍隊の前を、銃隊が、露ばらいのかたちで、撃ちつづけながら、尺地尺地、踏みとって行った。