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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
田中貢太郎『日本怪談大全 第一巻 女怪の館』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蟇の血、赤い土の壺、赤い花、馬の顔、切支丹転び、藤の瓔珞、草藪の中、仙術修業、頼朝の最後、雪の夜の怪、港の妖婦、神仙河野久、文妖伝、女賊記、春心、岐阜提灯、女の首、女の怪異、妖影、牡蠣船、雑木林の中。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 页
葛城山ではまた二日間修業して、十二日の午後三時比貝塚の寓居へ帰った。
河野はそれを初めとして、その後も度度葛城山へ登り、吉野へも往って照道寿真に面会した。照道寿真もまた時どき河野の家へやって来た。
河野は照道寿真から修真の法を授かった顛末を書いて、それに「真話」と云う題を附け、それを宮地翁の許へ送って来た。河野は後に堺から大阪へ往って西区紀伊橋西北詰粕谷治助と云う人の許にいた。
宮地翁が河野が神仙に逢うたことを知ったのは、明治九年の夏のことであった。宮地翁はその時、教部省の命で大阪に在勤して神道の講義をしていた。河野が宮地翁の講義を聞いたのはその前であったが、しかしその時は一聴講生として宮地翁の前に出ておっただけで個人としては知らなかった。河野はその時長沢在仲と云う医師を紹介者として、山女を持って面会を求めた。
「私は先生の講義を拝聴いたしておった者でございます」
宮地翁はこの詞によって河野が聴講生であったことを知った。河野はそれを縁にして時おり宮地翁の許へやって来て、二三日逗留してゆくこともあった。河野の食事は平生葛湯でそれをコップに一杯ずつ喫んでいた。